【リフォームエクステリア】エクステリアデザイン|千葉県佐倉市、N様邸

■自宅兼ドックサロンのプライベートエントランス

 デザインをするうえで特に心掛けているのが、ご家族様が毎日ワクワクして帰宅できるエントランスであるということ。技術的なデザインポイントは多々ありますが、まずはN様のご希望と生活導線を熟考し、朝も昼も夜も「奥行きと流れ」を楽しんでいただける空間を目指して打ち合わせを重ね、デザインさせていただきました。

アントニオデザイン事務所施工事例/担当デザイナー 北川晋也

 打ち合わせを重ねる中、施主様がひとめぼれをして購入された犬猫の照明も、デザインへ飛び入り参加しました!その愛らしさと明るさでご自宅の雰囲気を盛り上げてくれます!

 写真右端はシャッターゲート。お車の出し入れに便利なリモコン式シャッタゲートは、施主様のプライバシーを守る強い味方です。西側道路に面した車庫ということもあり、夕暮れ時の西日対策にも一役買っている様子です。

以下の写真は計画前の様子です。車を数台停められる駐車場でした。施主様より「お店のファサードにもなる素敵なエントランス」をご希望されたので、今回のデザインとなりました。

エントランス部分の植栽は「アントニオお任せチョイス」

アントニオデザイン事務所施工事例/担当デザイナー 北川晋也

 以下の写真は施工前です。既存の壁を活かし、ポストの位置も変えずこれまで通りの感覚でお使いいただけるように残しました。

アントニオデザイン事務所/before

■エントランスには光量のあるルイスポールセン社の照明を

 こちらのルイスポールセン社の照明はニューハウン ウォール。アルフレッド・ホーマン氏とオーレ・V・ケア氏によって1976年にデザインされたこの照明は、経年変化を楽しめる銅製の素材で作られています。

 ニューハウン ウォールのポイントは広がる光の美しさはもちろんのこと、今回の床や壁材に積極的に使っている天然素材の石と一緒に自然な形で深みを増すことを期待できる素材で作られています。特注アイアン門扉(写真では少し見えにくいですが)の向こう側にある成長していく庭と共に時を経てゆくのが楽しみな一品です。

アントニオデザイン事務所施工事例/担当デザイナー 北川晋也

 照明の下の同じく銅製、特注インターフォンカバー兼表札には肉球デザインをあしらいました。

 道路側から見える白い壁は、室外機の目隠しも兼ねています。この室外機の前面には立ち性のローズマリーを植えました。特に乾燥を好む植物なので、こちらの邸では室外機の風が成長の強い味方となってくれています。

アントニオデザイン事務所施工事例/担当デザイナー 北川晋也

■おまけ

下の写真は以前使用していたホームページのトップ画像です。照明をつけた状態のエントランスは、夜の帰宅が楽しみになるような優しい光です。

エクステリア専門アントニオデザイン事務所
アントニオデザイン事務所施工事例/担当デザイナー 北川晋也

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ローズフェアwith趣味の園芸「バラ好きの音楽家の庭」について

アントニオデザイン事務所

 最初のイメージとして『架空の村のなかでブーケをテーマにした「flower parade party 」という、お祭りを毎年開催している。その村の住人の庭先を表現する』というコンセプトを立ててから、デザインに入りました。

 今回のブログでは、実際に会場看板へ載せ切れなかったゾーンイメージ説明の裏側を紹介していきます。

◾️入場門の斜めアーチ

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 正面入り口を前にして、向かって右側が「バラ好きの音楽家の庭」。門となるアーチを挟んだ左側にはこの会場「横浜ローズウィーク ローズフェアwith趣味の園芸」の看板を兼ねた壁を設置しました。今回はアーチの高さを引き立たせる事と、会場の奥行き感も生かすことを考え、看板壁の天端には傾斜をつけ高さ自体も低めの設定としました。

 よーく見ると、この入場門には針葉樹の枝とバラの他に、こっそりと3つのドライブーケが掲げられています。さりげなく添えたので、会場で気付かれた方も少ないと思うのですが…。
 これらのブーケにも意味を持たせていて、この村の住人がそれぞれの庭で育てた花でブーケを作り、村のお祭りとともに開催されるコンテストに出品し、村中で花を楽しんでいるという設定です。

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 楽器に沿うように2つのドライブーケが飾られています。これは前年の入賞者のブーケを記念に掲げているというイメージです。また、柱に掛けてあるアンティークの管楽器は、八王子のグリーン・ギャラリー・ガーデンズさんからお借りしたもので、おそらく古楽器に分類されるフレンチホルンではないか?と思うのですが、実際の会場では音楽ステージもあり、弦楽二重奏も演奏される賑やかなイベントとなりました。

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 エクステリア用語では、入り口脇などにある立体構造物のいわゆる壁などを「門柱」と呼びます。実際のお宅にも、この様な壁には表札だけでなく、埋め込みポストや照明も設置をしているケースが多いですね。門柱という名の、とても便利な壁です!

 この門柱の上に乗っているのはスペイン瓦。この位置に乗せる瓦や石などはエクステリア業界では「笠置(かさぎ)」と呼ばれています。笠置と門柱の素材の組み合わせにも、私なりのセオリーは色々とありますが、要はバランスですね。素材によっては笠置を設置しない場合もあります。

 そもそも笠置には、雨垂れなどの汚れを軽減できる役割があり、写真の塗壁などの場合には、実際の現場でも笠置をおすすめしています。

 今回はショーガーデンなので、植栽も含めて完全にディスプレイとして成り立っていますが、実際のお宅のプランニングでは、建築物全体とのバランスも重要になります。プランの考え方としては、打ち合わせを通してお客様のご希望用途、それに付随してくる絶対要素の導線を熟考して、初めてディティールへと移行していきます。

 さてこのディスプレイの手前に積んであるレンガ。これにも「土留め」という役割があります。ショーガーデンでは、植栽の根を納めるために淵に高さを出す用途で使用しました。しかし土留めは、現実の庭制作においても、非常に重要な役割を果たします。

◾️いよいよ「バラ好きの音楽家の庭」へ

アントニオデザイン事務所/デザインイラスト 北川晋也

◾️庭へのアプローチ「香りの小径」

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 ガーデンティールームの横の入り口、丸太の3連アーチには「香りの小径」というタイトルが付いています。会場はガーデンに敷かれたウッドチップや花の香りでいっぱいでした。ここは、その香りの元となるガーデンへの入り口です。

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 この丸太アーチは3連で、奥に進むほど少しずつ高さを低くしています。天井部分の高さの変化と、行手が見えないように道を湾曲させたことで、地面が坂道の様に見える錯覚がおきています。実際にはこのウッドチップの道はフラットで、平面です。

 現場では、登坂に見える派と、下り坂に見える派の2手に別れましたが。どちらに見えますか?

 設計時には、ウッドチップではなく木道とするイメージでしたが、メンバーと打ち合わせを重ね、ウッドチップへと変更しました。会期中のメンテナンスは大変でしたが、香りも良く、何よりもフワフワとした、まるで森を散策しているような優しい歩き心地となりました。

◾️アーチを抜けて「明るい新緑の庭」へ

アントニオデザイン事務所

 芝で丘を表現しています。この写真では、植栽の間から微かに見える黄色い石コッツウォルズストーンの天端(てんば)が見えますね。実はこの丘の向こうに仕掛けがあります。一旦庭を出て反対側から見ると…

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 コッツウォルズストーンの石積みで作った擁壁の手前に、動物のいるゾーンと柵があります。これは「ハハァの原理」のイメージをかなりコンパクトに再現したものです。実際のハハァの原理では、動物側から見た擁壁の手間の地面は低く低く掘り込まれています。その為、本来は動物には乗り越えられない高さの擁壁となり、その反対側の庭からは、石積みは見えず、動物のいるゾーンまでの空間が一体化し、風景としてつながって見える仕組みです。イギリスには古くからこの法則を使った庭園も多く存在します。

 国内では、大阪の天王寺動物園などでも見ることができます。

◾️庭に戻って「ガーデンティールーム」へ

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 切妻屋根状パーゴラティールームですが、ショーガーデンということで、本来あるべき屋根や壁、扉などの建具はデザイン上割愛しています。その代わり、どの位置から眺めても音楽家の部屋と感じ取っていただけるよう、広げたままの楽譜や、サイズ違いのヴァイオリンケースを置くなど内装小道具には拘りました。

 そして住人の音楽家も、ブーケコンテストへ毎年のように参加している設定です。なので、歴代の出品作をドライブーケにして室内で飾っているイメージです。庭の外には生きて咲いている花、部屋の中はドライを中心に装飾することで、ウチ・ソトのメリハリをつけ、それぞれに引き立てています。ドライのフラワーシャンデリアはフラワーアーティストの花屋shidaさんへ依頼し、現場で製作していただきました。会場アーチの3つのドライブーケも花屋shidaさん作です。

 ティールームには、半円形のバルコニーも備わっています。実際のテラスやバルコニーを作る際は、基本的にそこに座って眺める景色もセットにしてプランを立てています。この場合は、出口に植えた樹木や、村の奥のブーケコンテスト会場(実際にはローラン・ボーニッシュさんのブース)をテラスから真っ直ぐ見える風景としてイメージし、更にこの後解説しますバードスポットとの関係も含めて、小屋の角度を決定していきました。

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 黄色いコッツストーンのバルコニーにラベンダーのパープルがよく似合いますね。
 アーチ形状のバルコニーに使用した乱系石は施工性も良く、アーチとして自然な曲線を表現できる強みがあります。バルコニー以外にカーブを描くような道や、緩やかな勾配はあるけれども、段差は作りたくない通路などにも馴染みやすく、更に高級感のある素材です。

 会期最終日には、ここで実際にミニコンサートが行われました。

アントニオデザイン事務所
前夜のリハーサル風景/アントニオデザイン事務所

 ガーデンを囲む牧柵に絡むバラもいい味出していますね!

◾️桟橋向こうの「バードスポット」

アントニオデザイン事務所

 この庭のシンボルツリーとなるアオダモです。なんとなく和の雰囲気の漂うバードスポット。鳥の歌声や、風に揺れる葉音が聴こえる自然界の音空間を表現したくてバードスポットと名付けました。樹木や植栽は見た目の美しさだけでなく、柔らかな音も聴かせてくれる存在でもあります。
 このツリーには、夜なべしてワイヤーアートで製作した鳥が3羽いましたが、撤去の際外し忘れてしまいました。どこかで大切にしてもらえているとよいのですが。

◾️出口へ向かう「小川のほとり」

アントニオデザイン事務所

 庭の中には生命の源である「水」小川を枯山水で表現しました。会場では実際に水を流すことはしませんでしたが、水のせせらぎも音の表現の一部として、どこかで感じ取っていただけたらと思い配置しました。この川の流れを見せる石の並べ方も奥が深いです。

 このガーデンでは水際を好む植物や、実際のガーデンなら日差しが当たる場所、木陰になる場所、そこに生えるに相応しい植物を全て考慮し配置しています。

 会場の樹木はみんなで相談しながら決定していきました。構造物や床素材についてもメンバーで打ち合わせを重ねました。植栽担当の小林さん(アトリエナナ)はコンセプトに沿いつつもストイックでいて表情豊かな植栽プランニングを、構造物担当の今井さん(恵庭)は私が図面に何気なく書きこんでしまった石の角度の数字メモまで見逃さず、3連アーチの丸太を少しずつ低くするなど随所に効果的な仕掛けを仕込んでくださいました。そして最初から最後までオブザーバーとして私たち3人の担当メンバーを支え続けてくださった吉田さん(グリーンギャラリーガーデンズ)、有福さん(アトリエ朴)、このメンバーの皆さんには多方面でご協力いただき心から感謝しております。この5人で協力しあったからこそ出来た庭はもう解体してしまいましたが、多くの方に足を運び見ていただくことが出来ました。更にありがたい事に、来場者の方々のSNSにも記録として掲載してくださっています。#ローズフェアwith趣味の園芸 で検索をしてみて下さいね!

 後になりましたが、このような機会をいただけたこと、主催のガーデンネックレス横浜実行委員会様、共催のNHKエデュケーショナル様の皆様に心より感謝申し上げます。
 ご来場者の皆様、会場内の安全・ステージの進行・期間中の植栽水やりなど携わって下さった関係者の皆様、素材選定や準備期間から現場仕込み・植え込み・バラシにご協力くださった皆様、JAG(ジャパンガーデンデザイナーズ協会)の仲間、何よりTV番組のNHK趣味の園芸で「バラ好きの音楽家の庭」の紹介コーナーで北川を導き共演いただきました園芸王子こと三上真史様、番組スタッフの皆様、最後までこのブログを読んでくださった全ての皆様へ、心より深く感謝申し上げます。
最後に、演奏協力や期間中駆けつけ支えてくれた家族に、ありがとう。

アントニオデザイン事務所 代表 北川晋也

おまけ ワイヤーアートのヴァイオリンとジギタリス

アントニオデザイン事務所

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